2020年5月1日
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国に緊急事態宣言が発令されるなど、外出自粛ムードは日に日に高まっています。感染を広げないためには「自分がウイルスに感染しない、そして人に感染させない」ことを意識し、一人ひとりが自覚をもって行動することが求められています。
その一方で、気を付けたいのは心の健康。特に元気なお子さんがいる家庭などの場合、家のなかに閉じこもってばかりでは、子どもはもちろん、お父さんもお母さんもストレスが溜まってしまいそうです。
なんとか感染のリスクを少なくして、安全に楽しく気分転換できる方法はないものでしょうか。
そこで今回は、感染のリスクである「3つの密」を回避でき、外出自粛によるストレス発散ができる場として注目されているグランピングの安全性について考えます。
世界中で感染が拡大している新型コロナウイルスは、肺炎の一種だと言われています。有効なワクチンがまだ開発の段階にあることから決定的な治療薬がなく、それゆえに怖い病気であるとされています。
感染は感染者の咳やくしゃみなどによる飛沫で拡大するため、感染のリスクである「3つの密」を避けることが重要になります。
3つの密とは、密閉・密集・密接を指します。換気のできない空間にいること、一つの場所に人が密集すること、そして人と近い場所で会話をすることは避けなければいけません。最近ではソーシャルディスタンス(社会的距離)という言葉をよく耳にしますが、人と話したりするときには感染拡大防止のため2メートルの間隔をあけることが大切だと言われています。
また手洗い・うがいを徹底させることも必要不可欠な予防対策となります。
緊急事態宣言が全国に出されている状況でも、少人数で近所を散歩したり、外に出て軽い運動をしたり、健康維持やストレスを減らすための外出は問題ないとされています。
そんな中グランピングは、比較的3密を避けやすい屋外での活動がメインとなること、マイカーを利用して目的地に行き、一つひとつが独立したテントやプライベートヴィラに宿泊すれば、人と接触することがほとんどないことから、感染リスクを抑えることができると考えられ、外出規制によるストレスを軽減できる場として注目されています。
グランピングは自然に触れるというキャンプの醍醐味を核としているため、施設は郊外にあることが多く、もともとマイカーでの移動が便利です。
普段一緒に生活している家族だけで、マイカーを使って移動するのであれば、家のなかにいるのとほぼ同じ環境となり、安心安全に目的地まで行くことが可能です。やはり不特定多数の人が利用する公共交通機関では、たとえ窓を開け、定期的な換気を試みても、通勤時など比較的混雑する時間帯では、人と人との間隔をあけることが難しく、濃厚接触は避けられません。そんな公共交通機関での移動に比べると、マイカーでの移動ははるかに感染リスクが低いと言えます。
ただし、車から降りれば、それは家から出ることと同じ。3密を避けてきちんとマスクなどで口を覆い、ソーシャルディスタンスを2m程度に保つことを忘れてはいけません。また、目的地に到着するまでの間に、人の集まる商業施設や観光地などに寄り道したりすることも控えましょう。
グランピング施設は一つひとつが独立したテントやプライベートヴィラタイプのものが多く、ほかの宿泊客やスタッフとの接触を少なくすることができます。
またテントやヴィラが独立していることに加え、宿泊の受け入れ組数を制限したり、チェックイン・アウトをテント内や客室で済ませることができたりなど、新型コロナウイルス対策に取り組んでいる施設も多くあります。ロビーや宿泊フロアなど人が集まる場所や人とすれ違う可能性のある場所が少なく、誰かと接触する機会を限りなく減らせるのは、グランピング施設ならではの大きなメリットとなっています。
食事や体験が、密閉空間である宴会場やレストラン、屋内ではなく、アウトドアでできることも、安心安全な旅としてグランピングが選ばれる理由となっています。テントやヴィラに備え付けのアウトドアデッキでのBBQ、屋内であってもプライベート空間が保たれた部屋での食事、大自然の中でのアクティビティ、人の少ない山や川、海辺の散歩などは、3密を避けやすく、感染リスクの少ない環境になります。
また家にこもりがちでストレスがたまりやすい日常から離れ、大自然に触れることで心も解放されます。心を健康に保つこともまたウイルスに打ち克つ上でとても重要になることは言うまでもありません
日頃気分転換やストレス発散の場として、家族や友人と利用する映画館やカラオケといった屋内のレジャー・エンターテインメント施設、ショッピングを楽しむ商業施設は休館、また開いていても営業時間の短縮を余儀なくされています。
学校も休みとなり、いつ始まるか分からない状況の中、家の中でずっと過ごすのはたとえウイルスの感染拡大を防止するためとはいえ、ストレスは溜まってしまいます。「コロナ疲れ」という言葉も聞かれるようになっていますが、外出自粛要請が長引けば長引くほど適度にストレスを解消する術をもつことは必要でしょう。
グランピングはアウトドアを楽しむ、つまり大自然に触れることができるという大きな魅力があります。いつもとは違う場所に行くだけでも気分転換となりますが、さらにヒーリング効果のある自然に触れればストレスを軽減できるのではないでしょうか。
近所の小さな公園ではたとえ屋外とはいえ、人が集まればやはりそこは密集空間となり、人と距離を空けて走り回ったりボール遊びをしたりするのは難しくなります。ただ比較的広大な自然の中のグランピング施設であれば、人との距離を十分にとりながら、走り回ったり、川遊びをしたり、海辺で遊んだりすることができ、日頃の運動不足を解消することができます。
施設によっては広い中庭やプライベートプールを各ヴィラに完備した完全なプライベート空間を実現しているところもあり、周囲を気にせず思う存分体を動かすことができます。
グランピング施設にはWi-Fi環境が整っている施設も少なくありません。施設によっては子どもを目の届く場所で遊ばせながら、親は仕事をすることもできます。普段在宅で仕事をしていると、「外へ行きたい」「何をして遊べばいいかわからない」と子どもたちが訴えてきませんか?そんな時はいったん仕事を中断して子どもを外へ連れて行ったり、何をして遊べばいいのかを一緒に考えたりしなければいけません。
しかし大自然という遊び場があれば、子どもたちは想像力を働かせて目いっぱい遊んでくれそうです。普段より集中して仕事をする環境を手に入れることができるかもしれません。
心と体の健康を維持する一つの手段として、3密を比較的避けやすい環境にあるグランピングは有効であることをお話ししました。ただし気をつけなければいけないことももちろんあります。マイカーで移動し、一つひとつが独立したテントやヴィラに宿泊すれば、確かに人との接触を減らして旅をすることはできますが、感染のリスクがまったくないわけではありません。
施設によってはトイレやお風呂、シャワー、調理をする流し台などが共用の場合もあり、施設スタッフとの接触も皆無ではありません。旅を計画する際には、宿泊施設がきちんと安全対策を施しているか確認し、目的地までの手段や行動についても考えておく必要があります。
先にお話しした通り、ウイルスに感染しない、感染させないためには、3つの密である密室・密集・密接を避けることが重要になります。チェックイン・アウトや食事の場所、宿泊人数の制限など、人との接触や人が集まりすぎないような工夫が施されているかなど、安全対策がきちんと実践されているか事前に確認しておきましょう。またトイレやお風呂、シャワーなどの施設がテントやヴィラ内にあり、他の人と共有する必要がないかについても検討材料の一つです。
スタッフの健康や施設の衛生面にもきちんと気を配っているかチェックが必要です。スタッフがマスクを着用しているか、毎日検温を行うなど健康管理を怠っていないか、清掃時の換気や人が手に触れる部分の除菌、アルコール消毒を徹底しているかなど、宿泊施設のHPでどんな取り組みがされているか必ず目を通すようにしましょう。その上で、安心安全だと判断できれば予約するようにしてください。
電車や飛行機、船など不特定多数の人が利用する公共交通機関の利用はやはり避けたいところです。宿泊先の施設が車だけで行ける場所なのか、どこかに立ち寄らなくても運転できる距離か、宿泊先に駐車場があるかなども目的地や宿泊先を決める上で大切になります。やはり車だけではいけない遠い場所などは選ぶべきではありません。
新型コロナウイルスが収束に向かうにはまだかなりの時間を要する可能性があります。今後外出自粛が長引くことも考えられ、心身ともに健康を保つことはますます重要になります。そんな状況の中、グランピングは安心安全な旅ができると注目を集めています。確かにグランピングはアウトドアであることから3密を避けやすく、大自然の中でエネルギーを発散させることでストレスの軽減や運動不足の解消にも一役買ってくれます。ただし旅を計画する際は感染状況をしっかり把握すること、そしていざ出かけるときにはマイカーを使って人との接触を可能な限り避け、各自が感染しない、感染させないための行動をとることも忘れてはいけません。
以下にグランピングが安心安全に楽しめるとされる理由とグランピングをする際の注意点についてまとめてみました。
・新型コロナウイルス感染の原因は、感染者の咳やくしゃみなどによる飛沫となり、「3つの密」である密閉・密室・密集を避けることが重要となる。
・アウトドアであるグランピングは3密を避けやすく、マイカーを利用して、一つひとつのテントやプライベートヴィラが独立している施設に宿泊すれば、人との接触を少なくし、感染リスクを減らすことができる。
・外出自粛要請で家に閉じこもりがちの毎日はストレスが溜まり、運動不足になりがち。自然に触れ、広大な敷地を走り回ったり、川遊びをしたり、山や海辺を散歩できるグランピングはストレスの軽減と運動不足解消の有効な手段になる。
・グランピング施設はWi-Fi環境を整えている施設が多く、子どもを遊ばせながら親は仕事をすることもできる。
・安心安全にグランピングを楽しむためには、施設が3密を避けられる環境にあるか、衛生面で新型コロナウイルス対策がなされているかを事前に確認する必要がある
・実際に出かける際には、マイカーを利用することはもちろん、マスクを着用するなど感染しない、感染させない行動を心がけることが求められる。
※本コラムは、2020年4月29日現在の情報に基づいて作成されたものです。
緊急事態宣言の発令に伴い、施設の営業状況に変更が発生している場合があります。
旅行に出かける際は、最新の公式情報を確認するとともに、密閉・密集・密接を避ける行動を心がけるようにしましょう。
グランピングコラム