
日本といえば、富士山。富士山はきちんとポイントを押さえれば、登山初心者の方でも登山可能です。 本記事では、富士山登山のために知っておきたい登山ルートや富士山登山に必要な装備、登山での注意点を紹介します。最後に富士山周辺のおすすめの宿泊施設も紹介するので、あわせてご確認ください。
目次
富士山の登山シーズンは雪が溶ける7月上旬から9月上旬頃です。
登山可能な時期は、残雪状況や登山道の状況によって毎年変わり、また、登山ルートによっても異なるため、必ず富士山登山前に富士山公式サイトで正確な登山可能時期を確認するようにしてください。
富士山の登山ルートや、富士山の気候、富士山登山に必要な装備についてもしっかり確認し、準備を万全にしましょう。
富士山には4つの登山ルートがあり、難易度が異なります。
富士山登山ルート | 登山ルート難易度 | 登山時間目安 |
---|---|---|
吉田口 (山梨県側) | 初心者〜 | 約10時間 |
須走口 (静岡県側) | 中級者〜 | 約10時間 |
御殿場口 (静岡県側) | 上級者〜 | 約12時間半 |
富士宮口 (静岡県側) | 初心者〜 | 約9時間半 |
それぞれの登山口へのアクセスは下記の通りです。
・吉田口への行き方
・バス:バスタ新宿→富士スバルライン五合目
・電車&バス:新宿駅→富士急行線「富士山駅」→富士スバルライン五合目
・須走口への行き方
・電車&バス:東京各駅→JR御殿場線「御殿場駅」または小田急小田原線「新松田駅」→須走口五合目
・御殿場口への行き方
・電車&バス:東京各駅→JR御殿場線「御殿場駅」駅→御殿場口新五合目
・富士宮口への行き方
・電車&バス:東京各駅→JR東海道本線「三島駅」→富士宮口五合目
富士山登山に向けて富士山の気候を知り、正しい装備を整えましょう。
気象庁の2024年の気象データを参照すると、富士山登山シーズンの最高・最低気温の平均は下記の通りです。
【富士山登山シーズン中の気温】
7月 | 8月 | 9月 | |
---|---|---|---|
平均最高気温 | 8.4℃ | 11.2℃ | 9.6℃ |
平均最低気温 | 4.1℃ | 5.6℃ | 3.7℃ |
夏であっても富士山の気温は10℃ほどです。上記は平均気温で、時間帯や日によっては、最低気温が氷点下にもなる場合がある点にも注意してください。
登山中、陽を遮るものがない分日中は日の光であたたかく感じる一方、山頂は風が強く、日が落ちると体感ではずっと寒く感じることもあります。
登山中の服装は温度調整がしやすいよう「レイヤー」を意識することが重要です。
富士山の気候も踏まえ、下記で富士山登山に必要な装備を紹介します。あると便利なものもあわせて紹介するので参考にしてください。
【富士山登山に必要な装備】
登山靴 | 富士山では火山砂利の上を歩くことになるため、底が固いハイカットの登山靴を用意しましょう。 |
---|---|
登山用レインウェア | 登山中の脱ぎ着が楽なよう、上着とズボンを用意しましょう。 |
防寒着 | 日の出前の山頂は夏でも凍えるほど寒くなります。フリースやダウンジャケットなどを用意しましょう。 |
速乾ウェア | 登山中の汗で濡れると体の熱を奪われやすくなるため、速乾性のあるウェアを用意してください。 |
サングラス・日焼け止め | 標高が高くなるほど太陽の光を遮るものがなくなります。日差し対策用品も準備しましょう。 |
ヘッドランプ | 夜間の山頂までの登山では光がありません。夜間行動の予定がなくても、万一に備えてヘッドランプを用意しましょう。 |
水 | 1〜2Lが目安です。荷物が重いと登山の負担も増えるため、状況に応じて山小屋での購入も検討しましょう。 |
行動食 | 登山中の体力回復のため、チョコレートやナッツなどを持っていきましょう。塩分を補給できるものもあると安心です。 |
ゴミ袋 | 富士山登山中のゴミは全て持ち帰る必要があります。 |
100円硬貨 | 富士山登山道にあるトイレは全て有料で、ほとんどの場合カードが使えません。100円硬貨を多めに用意しましょう。 |
軍手・登山手袋 | 富士山登山では、ゴツゴツした岩の間を進む登山道もあります。手を保護するための軍手があると安心です。 |
【富士山登山にあると便利なもの】
ゲイター | 富士山の下山道は砂利道のため、ゲイターで靴への砂利の侵入を防ぎましょう。 |
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ストック | 富士山下山時の足への負担を軽減できます。 |
耳栓・アイマスク | 富士山にある山小屋では寝場所がカーテンのみで仕切られていることもあります。残りの登山に備えしっかり仮眠が取れるよう対策しましょう。 |
カイロ | 日が落ちた後の富士山は非常に寒くなります。防寒着の準備も重要ですが、カイロがあるとなお安心です。 |
初心者が富士山登山に挑戦する場合は、必要な装備を間違いなく揃えられるよう、富士山登山用品のレンタルサービスを利用するのをおすすめします。
富士山登山のためには、入山料や登山登録、入山規制についても把握しておく必要があります。
富士山の登山客が過剰になったことを受け、2024年には山梨側からの富士山入山に入山料が設定されました。
2025年は山梨県も静岡県も入山料を設定し、どの登山口を利用する場合も、富士山の環境保全のための協力金を含む4,000円の入山料を設定する方針を発表しています。(※2024年2月時点までの情報)
また、富士山登山にあたっては、2024年は利用する登山口に合わせて山梨県または静岡県への通行登録が必要でした。
【参考:2024年の登山登録手続き】
・吉田ルート利用の場合:「山梨県富士山吉田ルート通行予約システム」で通行予約と通行料の支払い
・須走口ルート、御殿場口ルート、富士宮ルート利用の場合:静岡県が指定するサイトでの登山に関する事前学習と登山計画の提出
2025年登山シーズンの入山料と通行登録については、富士山登山前に最新情報をチェックし必要な手続きに漏れがないようにしましょう。
入山料や入山登録の導入と合わせて、2024年から富士山への入山が一部規制されるようになっています。
2025年については、午後2時から翌日午前3時の間登山ゲートを閉鎖し、登山者を規制する方針が発表されています。(※2024年2月時点までの情報)
2025年の最終的な規制内容は富士山の登山シーズンまでに調整完了するはずなので、必ず最新情報を確認するようにしてください。
なお、登山ゲートは閉鎖されても、山小屋の予約があればゲートを通過できるようになっています。
富士山登山は弾丸登山とせず、山小屋の手配も早めに進めておきましょう。
富士山登山で標高2,000mを超えると高山病を発症しやすくなります。登山開始の時点から深呼吸とこまめな水分補給を意識しましょう。登山スピードを上げ過ぎないのも予防の一つです。
また、富士山の登山道は、砂や小石で滑りやすかったり、急斜面の岩場になっていたりするところもあります。前の登山者の動きもよく見つつ、落石や滑落に注意しましょう。
富士山登山は体力がいるので、登山前に筋トレもして準備を整えておけると安心です。
富士山登山で一番人気の吉田口ルートについて詳しく紹介します。
吉田ルートの特徴には下記のものがあります。
・首都圏からのアクセスが便利
・比較的傾斜が緩やか
・ルート上に山小屋が多く、救護所もある
山小屋の多さや救護所の配置から、吉田ルートは初心者でも安心のルートとされています。
ご来光(=日の出)を富士山山頂から眺める場合の吉田ルートでの登山スケジュールは以下が目安です。
【富士山登山にあると便利なもの】
1日目 | 11:00〜 富士スバルライン五合目到着 (富士山の標高に慣れるため、ここで1時間ほど体を慣らします) 12:00〜 富士山登山開始 17:00〜 八合目の山小屋に到着→食事と仮眠 |
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2日目 | 2:00〜 富士山山頂に向け登山開始 〜5:00 山頂に到着 5:00頃 ご来光 〜10:00 下山 |
山頂からご来光を眺めたい場合は、六合目や七合目の山小屋より八合目の山小屋に泊まるのがおすすめです。山頂までの距離が近くなり、登山初心者でも登頂確率が高まるからです。
ただし、高山病が心配なら七合目の山小屋で早めに休めるようにする方が安心な場合もあります。
富士山登山の前後は体も心もしっかり休まるグランピング施設での宿泊がおすすめです。
登山だけでなく、富士山周辺には「河口湖」や「富士急ハイランド」など見どころもたくさん。数日宿泊して富士山周辺観光も楽しみましょう。
ここからは、富士山の自然を100%楽しめるグランピング施設を紹介します。
直径6mの大型ドームテントを1棟貸切で滞在できる「HOSHIFULL DOME FUJI」は、富士登山で吉田ルートを検討する方に特におすすめです。
特選牛を味わえる2種のBBQプランのほか、富士山周辺観光で食べておきたい「ほうとうBBQ」もあります。
「グランレガロ ASAGIRI」は富士宮ルートでの富士山登山を検討する場合に特におすすめです。
富士山麓の大自然の中、ドーム型グランピング施設で特別なひと時を過ごせます。
富士山のおいしい水と空気で育った「朝霧ヨーグル豚」や「富士の鶏」、地場産野菜を味わえるBBQでラグジュアリーなアウトドア体験を楽しんでください。
富士山登山成功のためには、事前準備が重要です。
安全に楽しむために、富士山の登山シーズンやルートを正しく理解し、装備を整えて富士山登山に臨みましょう。
登山やグランピングなど、富士山周辺の自然を存分に楽しんでください。
グランピングコラム