今や多くのメディアにも取り上げられ、個性あふれるグランピング施設が展開されている昨今。テントの設営や火おこしといった手間や面倒がなく、ベッドや冷暖房完備の快適な施設に宿泊する「優雅で魅力的なキャンプ」であるグランピングは、アウトドア初心者や若い女性を中心に人気を呼んでいます。SNSではグランピングシーンの画像があふれ、「グランピングで女子会」がトレンドになっているほどです。
しかし、実際のところグランピングとはどういうものなのか、キャンプとは何が違うのかきちんと知られていないのも事実です。そこで今回は今さら聞けないグランピングの定義や特徴について解説し、その魅力や楽しみ方をご紹介します。
グランピングとは、「優雅な」「魅力的な」といった意味の”glamorous”と”camping”を合わせた造語。
もともと海外で普及し日本に伝わったグランピングは、アウトドアをリゾート感覚で快適に楽しむキャンプの新しいスタイルとして日本に定着しつつあります。
では具体的に優雅で魅力的なキャンプとはどのようなものなのでしょうか?
それは「大自然を感じる」「ラグジュアリーな空間とサービスが提供されている」こと。ただ単にゴージャスであればいいというのではなく、これら2点を合わせ持っていることがグランピングの大きな特徴です。
まずキャンプの醍醐味である「アウトドア」を満喫すること。そしてテントの設営、火おこし、地面に寝袋、キャンプグッズ一式の購入、夏の暑さや冬の寒さ対策の難しさなど、キャンプに不慣れな人にとっては大変だと感じる部分が解消された快適な環境でゆったり過ごすのもグランピングならではの楽しみ方になります。
キャンプの醍醐味を味わう、つまり本来のグランピングは大自然の中でアウトドア体験をすることが核になっています。テントに響く雨の音、朝起きたときに聞こえる小鳥のさえずり、新鮮でおいしいフレッシュな空気など大都会では感じることのできない自然の中にいる心地よさを体感しましょう。
テントの設営など一連の大変な作業を行う必要はありませんが、その分自然に触れる、自然の中でめいっぱい遊ぶというアウトドアの楽しさが味わえなければやはりグランピングとは呼べないのです。
アウトドアであることを大切にしながら、そこに快適さを求めることも忘れないのがグランピング。屋外を感じる心地よい宿泊施設、露天風呂、また旅の楽しみの一つである食事も充実しているなど、従来のキャンプにはない快適さがグランピングの大きな魅力です。
草花の香りがどこからともなく漂い、鳥や虫の鳴き声が聞こえ、夜は満天の星空が見える。グランピングのテントには、自然を五感で感じつつも、ベッドや冷暖房を完備してより快適な滞在ができるような工夫が施されています。例えば、美しい景観を楽しんだり差し込む朝日を感じたりできるようにテントの一部が透明になっているものがあり、自然との一体感が味わえます。形状は、自分で設営するテントにより近いものから、モンゴルの移動式住宅・パオを連想させるもの、また設備との組み合わせに相性の良いドーム型テントなどがあります。
コテージは、主に一戸建てを一棟貸し切る別荘風の宿泊施設。「ヴィラ」と呼ばれることもあります。規模にもよりますが、通常部屋は複数あり、キッチン、シャワーやトイレなどの水廻り、ベッドや布団などの寝具、冷暖房などの空調設備が備わっている場合が多いようです。同じくキャンプ場でよく見かけるバンガローやロッジと混同されがちですが、バンガローは木造の簡易な宿泊小屋のことで、コテージやヴィラと違いシャワーやトイレ、ベッドなどの設備は基本的にありません。ロッジはコテージとバンガローの中間的な施設を指します。
そもそもキャンピングトレーラーとは、自動車で牽引するタイプのキャンピングカーのこと。エンジンや運転席がなく、キッチンや寝室などの居住スペースのみであるという点が、キャンピングカーと異なります。アメリカでは古くからキャンピングカー同様、キャンプ場でトレーラーハウスに宿泊し休暇を過ごすレジャー形態が発達しており、今は日本にもトレーラーハウスを採用している施設があります。外観、内観ともにアメリカンな雰囲気をもつお洒落なものも多く、インスタ映えすると若者を中心に人気を呼んでいます。
キャンプとグランピングの一番の違いは、テントを持って行く必要がないこと、そして施設に専用スタッフがいることです。グランピングでは食事の準備から片付けにいたるまで、基本的にはスタッフがすべて行ってくれます。もちろん食材を持ち込んで自分たちでBBQなど自炊をすることもできますが、豪華な食事がついたプランを用意してくれる施設も少なくありません。テントの設営から食事の準備、後片付けまでなんでも自分でする必要がないという便利さとアウトドアでありながらホテルのような心地よい空間で寝泊まりできるという快適さがキャンプとは大きく異なるところです。
「何も持たなくていい」身軽さがグランピングの魅力。もちろん、着替えなど身の回りのものは持っていかなければいけませんが、キャンプで必要なものは基本的にグランピング施設に用意されています。
食事も宿泊プランに入っていたり、別になっていてもバーベキュー用の食材セットがあったり調理器具の貸出サービスがあったりと、とにかく大きな荷物を抱えることなく出かけられます。
もう一つの魅力は、宿泊施設の豪華さと快適さにあります。大きなテントにホテルのようなベッドが用意されていたり、お風呂やトイレが完備されていたりするのはもちろん、天然温泉やプールを備えた施設もあり、リゾート感覚でアウトドアが楽しめます。
快適な環境でアウトドアレジャーを楽しみたいという現代人の希望を叶えてくれる。それがグランピングの大きな魅力となっています。
グランピング施設にはアウトドアに精通したスタッフが、大自然の中での遊び方やアウトドアの楽しみ方などを教えてくれます。 トレッキングをはじめカヌーなどのマリンスポーツで自然に触れ、屋外の施設ではピザ窯でのピザ作りや燻製作り、夜は焚火を囲んでのキャンプファイヤー、ハンモックに揺られながらの星空観察など、グランピングは施設ごとに異なる様々な体験メニューやアクティビティで非日常の世界を満喫することができます。
広いテントの中では家族や友人、恋人と夜が更けるのも忘れてゆっくり語らう。それもまたグランピングで過ごす時間を有意義なものにしてくれるでしょう。
優雅で魅力的なキャンプという意味を持つグランピングは、海外で生まれたアウトドアの新スタイル。施設にはキャンプの知識を持ったスタッフがいてテントの設営といった準備や後片付けは一切不要、必要なものもそろっているため、身軽に目的地へ行きアウトドアが楽しめます。施設では豪華な食事を楽しみ、非日常感たっぷりの快適な空間で過ごす。そんなグランピングは誰でもすぐに始められるという大きな魅力があります。
以下にグランピングとは何かをまとめてみました。
・グランピングは、アウトドアを楽しみつつ、ラグジュアリーな空間で過ごせるという快適さを合わせ持っていることが大きな特徴である。
・持ち物は着替えなど身の回りの品のみという身軽さに加え、シャワーやトイレ、ベッド、冷暖房が完備され、施設によっては天然温泉やプールが備わっているリゾートホテルのような環境で過ごせるのもグランピングならではの魅力。
・宿泊施設のタイプにはテント型、コテージ型、トレーラー型などの形態がある。
・トレッキングやマリンスポーツのほか、調理体験やキャンプファイヤーなどグランピングでは様々なアクティビティや体験が楽しめる。
グランピングコラム