夏休みやお盆休みに合わせて、毎年旅行を計画されるという方も多いでしょう。行き先に迷っているなら、今年の夏は、グランピングに出かけてみませんか。ホテルや旅館のような快適な環境で他の宿泊客に気兼ねなく楽しめるグランピングは、女子会や家族旅行、親しい仲間とのグループ旅行にもぴったり。 とはいえ、「グランピングの楽しみ方って何?」「ホテルや旅館と何が違うの?」と思う方も多いではないでしょうか。そこで今回は、グランピングとホテル・旅館との違いに加えて、夏旅行でのグランピングの楽しみ方をご紹介します。
グランピングとはグラマラスなキャンプのこと。ゴージャスなだけではなく自然を感じられる、快適でラグジュアリーな環境とサービスが提供されています。グランピングは海外発祥ですが、近年日本ではキャンプとともに大ブームとなりつつあります。
グランピングはお部屋が用意されるものの、アウトドアを満喫できることからキャンプのような設備と思われている方も多いのでは。実はグランピングは、ホテル・旅館と同じ宿泊施設。「施設を設けて宿泊料を受け、人を宿泊させる営業形態」であるため旅館業の適用となります。
一方キャンプは、レンタル、持参問わずテントを利用者が設置、撤収します。そのため施設側が宿泊施設を設けていないこととなり、キャンプは旅館業の適用とはなりません。グランピングのお部屋はテントやヴィラ、コテージ、トレーラーなどですが、利用者が設置するのではなくあらかじめ宿泊施設として設けられています。そのため、グランピングもホテルや旅館と同じ旅館業の適用を受けることになるのです。
グランピングはホテル・旅館ともに宿泊施設や環境、設備が準備されている旅館業の適用を受けるサービスであることがお分かりいただけたでしょうか。次に、グランピングと一般的なホテルや旅館との共通点を解説します。
グランピング、ホテル・旅館ともに宿泊者用のお部屋があります。そのためグランピングでは、宿泊者がキャンプのようにテントを設置したり、撤収したりする必要はありません。ホテルや旅館と同じように、グランピング施設のお部屋の中には、冷暖房設備はもちろん、ベッドやソファ、照明器具、冷蔵庫などの家具や家電があります。
ホテルや旅館と同様、シャンプーやコンディショナー、ボディーソープ、タオル、部屋着、女性用スキンケアアイテムなどのアメニティが準備されているグランピング施設も多くあります。
キャンプでは自分で食事の準備をする必要がある一方、グランピング、ホテル、旅館は食事付きのプランが設けられています。ホテルや旅館の食事は、施設に併設されている食堂やレストランでのバイキングやビュッフェ、コース料理、あるいは部屋食などさまざまな形態があります。グランピングではご当地食材を使ったBBQなど、キャンプの要素を取り入れたアウトドア感のある夕食や朝食が提供されることが多くなっています。
さらに、ホテル・旅館のように食事がつかない素泊まりプランが設けられていることもグランピングの特徴です。グランピングの素泊まりプランの場合は、自分で好みの食材を持ち込んで施設に用意されている機材を使ってBBQができるようになっているところがほとんどです。
キャンプではテントサイトなどに持ち込みのテントを設営して宿泊したり、場合によってはオートキャンプ(車中泊)をしたりすることも。キャンプ場は、トイレや炊事場、キャンプファイヤー用のファイヤーピットなど、不特定多数の人と共有するスペースが多いことが特徴です。
一方のグランピングは、独立型のテントやドームがあり、区画内に専用の食事スペースが用意されていることがほとんど。施設によってはトイレやお風呂も専用のものが設置されており、大自然のなかでもプライベート空間を保てるように配慮されています。
お風呂のないキャンプ場も多いため、キャンプ中は入浴をあきらめる方も多いでしょう。トイレやシャワーがテントサイトから離れていて不便に感じることもあります。
しかし、グランピング施設には、ホテル・旅館と同じようにお風呂やトイレが用意されています。施設によっては、それぞれの区画ごとに浴室やトイレが個別に用意されていることも。グランピングは、アウトドアでありながらホテルや旅館のように衛生的で快適な環境で過ごせます。
グランピング施設には、ホテルや旅館と同じように、スタッフが常駐しています。チェックインやチェックアウトなどの受付はもちろん、困ったことや要望があればいつでも相談できます。アウトドアアクティビティを楽しむときには、アウトドアに精通しているスタッフがしっかりサポートしてくれるのもうれしいポイント。キャンプ初心者や女性だけのグループ、小さなお子様や高齢の方でも安心してアウトドアアクティビティを楽しめます。
グランピングは快適な環境で宿泊でき、食事も用意されているため「ホテルや旅館と滞在するのと同じなのでは?」と感じる人も多いかもしれません。しかしグランピングには、ホテルや旅館とは異なる魅力がたくさんあることも事実。グランピングが一般的なホテルや旅館とどう違うのかを解説します。
ホテルや旅館の客室は、洋室+ベッド、和室+布団というパターンがほとんどです。一方のグランピングは、施設によってアウトドア感を満喫できる部屋タイプが豊富にそろっています。定番のドームテントのほか、リゾートの雰囲気がたっぷりの居住性の高いヴィラ(コテージ)、非日常が味わえるトレーラーなども、グランピング施設の客室として提供されています。
・テントタイプ
キャンプのようなアウトドア感のあるベルテントもあれば、大人数での宿泊にも向いている全天候型のドームテント、優雅で高級感のあるサファリテント、繭型のフォルムが印象的なコクーンテントなどさまざまなものがあります。テントの一部が透明になっていて、大自然を眺めながら過ごせるテントも!
・ヴィラタイプ
ヴィラは、キャンプ場にあるコテージやロッジとは異なり、シャワーやトイレ、キッチンなどの居住に必要な設備がそろった一棟貸切型の宿泊施設のこと。中庭や客室内温泉、プライベートプールなどが併設されているヴィラもあります。ご家族でのグランピングやグループ旅行でも快適に、リッチな気分で過ごせます。
・トレーラータイプ
トレーラーハウスとも呼ばれる、キャンピングカーの居住部分です。運転席がなく、キッチンや寝室部分のみで構成されています。アメリカンな雰囲気のグランピングを満喫したい方におすすめです。
グランピングは宿泊する部屋とアウトドアフィールドの距離が、リゾートホテルよりも近いことが特徴。グランピング施設そのものがアウトドアフィールドの中にあるため、お部屋のドアを開けたらすぐに大自然を満喫できます。山や海、川に面しており、すぐに足を伸ばせる施設も。
宿泊している場所からアウトドアフィールドまでの移動に時間がかからないため、限られた時間の中でも多くのアウトドア体験が手軽にできるのも、グランピングの魅力です。
ホテルや旅館でも、工作や自然観察などの体験型アクティビティを用意しているところはありますが、グランピングには施設の立地環境を活かしたアクティビティが豊富に用意されています。例えば、薪割りや焚火体験、収穫体験やアウトドアクッキング、釣りやカヤック、SUPなどのマリンアクティビティなど。アウトドアや自然の中で思いっきり楽しめるアクティビティが用意されています。
最近では、ペット同伴可のホテルや旅館も増えてきましたが、グランピングなら、愛犬とより濃密な時間を過ごせる工夫がなされている施設も。施設そのものがペットと同伴でなければ宿泊できないところや、施設内にペット同伴専用のエリアが設けてあるところもあります。
ドッグランが併設されていたり、食事やトイレやケージなどのアメニティがあったりと、飼い主さんもワンちゃんも快適に過ごせる環境が整っています。大自然のなかでワンちゃんを思い切り遊ばせたいときや、愛犬と一緒にプライベートで快適な時間を過ごしたいときなどにも、グランピングは選択肢に入るでしょう。
グランピングは、ホテルや旅館では味わえないたくさんの非日常の体験ができるのも魅力。夏に楽しめる、グランピングならではの楽しみ方を解説します。
グランピングの食事といえば、地元の名産品や新鮮な食材を使用したグランピングBBQです。夏の屋外でのBBQは暑い、虫が出る、お天気によっては中止せざるを得ないなどのデメリットもありますが、グランピングなら夏でも快適な環境でBBQが可能です。
BBQに必要なコンロなどの持ち運びや設置、火起こしなどの手間は不要。雨天でも対応できるよう屋根付きのダイニングスペースが用意されており、天候に左右されずBBQができるようになっています。
アウトドアの醍醐味であるキャンプファイヤーや花火も、夏に楽しみたいもののひとつ。宿泊場所とフィールドが近いグランピングなら、キャンプファイヤーや花火を楽しむのもおすすめです。キャンプファイヤーを個別で楽しめるファイヤーピットが用意されている施設や、手持ち花火の販売を行っているグランピング施設もあります。
夏はビールをはじめ、冷たいドリンクがおいしくなる季節です。グランピング施設によっては好みのドリンク飲み放題になるインクルーシブバーや、バータイムを設けているところもあります。好みのドリンクを夏の夜空の下で飲んだり、キャンプファイヤーと一緒に楽しんだりもおすすめ!
海水浴や川遊び、昆虫採集や生き物観察はもちろん、カヤックやSUP、バナナボートといった夏ならではのマリンアクティビティが体験できるプログラムを用意しているグランピング施設も。渓流釣りや山登り、夏野菜の収穫体験や収穫した野菜を使った調理体験など、夏だからこその自然体験がたくさんできるのも、グランピングの魅力です。
グランピング施設によっては、サウナやジャグジー、温泉などの設備を設けているところ、ヨガができるプログラムを設けているところもあります。夏の自然のなかで、ととのう体験やリフレッシュしたいときにもおすすめです。
グランピングはホテルや旅館と同じような快適な環境で、キャンプの楽しみを思い切り満喫できます。以下にグランピングとホテル・旅館の共通点と違いをまとめました。
・グランピングとは快適かつゴージャスなキャンプのこと。日本ではグランピング施設はホテル・旅館と同じく宿泊施設の扱いとなり、旅館法の適用を受ける。
・グランピングでは、ホテル・旅館と同じように冷暖房やアメニティの完備した客室で宿泊する。
・グランピングには、ホテル・旅館と同じようにお食事付きプランや素泊まりプランがあり、地元の名物や食材をふんだんに使ったグランピングBBQなどの食事が楽しめる。
・グランピングの客室は、ホテル・旅館のような洋室や和室ではなくテントやヴィラ、トレーラーなどの個性的でアウトドア感満載のものがそろっている。
・グランピング施設はアウトドアフィールドの中や近くにあることが多く、体験できるアクティビティも豊富にある。
・グランピングには、ホテルや旅館とは違いアウトドアを快適な環境で満喫できる楽しみ方がたくさんある。
※本コラムは、2022年5月20日現在の情報に基づいて作成されたものです。各施設の最新情報は、公式サイトをご確認ください。
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