2022年8月9日
キャンプ飯に欠かせない調理器具といえば、メスティンやスキレット。どちらも使い勝手がよく、キャンプ飯をおいしく仕上げてくれますが、初心者はどう使えばいいのか分からないかもしれません。 今回は、管理栄養士の資格を持つ料理ライターがメスティンとスキレットの使い方やコツを紹介するとともに、これらを使って簡単に作れるレシピを6つ紹介します。初心者でも作りやすいレシピなので、ぜひお試しあれ!
今回は初心者の方や、はじめてメスティンとスキレットを使うという方向けに、それぞれの使い方とコツを紹介します。
メスティンとは箱型の調理器具で、ハンドルがついています。煮る、焼く、炒めるなどあらゆる調理ができることから、万能調理器具とも呼ばれています。
使い方は、ハンドルを伸ばしてから火にかけ、中に食材を入れて煮たり炒めたりするだけです。
メスティンは熱伝導をよくするためにアルミで作られています。テフロン加工などがされていないため、使う際は焦げつきやすい点に注意しましょう。油を引いてから調理し、強火にかけないこと。クッキングペーパーやこびりつかないアルミホイルなどを引いてから調理をするといいでしょう。
スキレットは鉄製のフライパンで、焼くとき、炒めるときに活躍します。
使い方は一般的なフライパンと同じく、火にかけてから油を引いて食材を炒めたり焼いたりするだけです。取っ手が熱くなるので、持ち上げる際は専用のカバーを使うか、タオルなどを巻いてください。
スキレットは熱伝導が非常によく、火からおろしてもしばらく熱が持続します。そのため、放置しておくと料理が焦げることもあるので、注意しましょう。また、スキレットにたっぷりと油を入れ、よくなじませてから調理をはじめるとこびりつきにくくなります。
ここからは、メスティンで作る簡単キャンプ飯を3つ紹介します。メインディッシュからデザートまで簡単に作れるものばかりですので、ぜひお試しください。
キャンプ飯の代表格であるカレー。その材料を流用してトマト肉じゃがを作ってみませんか?ちょっぴり洋風で、おつまみにもピッタリです。
<材料(2人分)>
・牛バラ肉…50g
・じゃがいも…中2個
・玉ねぎ…中1/2個
・にんじん…中1/4本
★トマト缶…1/2缶
★水…100ml
★ウスターソース…大さじ1
★しょうゆ…大さじ1
★酒…大さじ1
★みりん…大さじ1
★砂糖…小さじ1
・粉チーズ…適量
・オレガノ…適量
・ブラックペッパー…適量
<作り方>
1.メスティンに玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを入れ、★の調味料を加えたら弱火で15分煮込む。
2.じゃがいもとにんじんが柔らかくなったら火からおろし、仕上げに粉チーズ、オレガノ、ブラックペッパーを振りかけて完成。
<ポイント>
・時間があるときはフタをして、しばらく放置して味をなじませると、よりおいしくいただけます。
・しょうゆ、酒、みりん、砂糖それぞれを持っていくのが面倒なら、すき焼きのたれ大さじ3杯で代用するのもアリです。
・粉チーズ、オレガノ、ブラックペッパーは小袋に入れておくと、かさばりません。
水の状態からパスタと具を入れて煮るだけで、あっという間においしいパスタが完成します!湯切りいらずで洗い物も少なくすみます。
<材料(1人分)>
・パスタ…100g
・水…300ml
・塩…(指3本で)2つまみ
・松茸のお吸い物の素…1袋
・ベーコン…1枚(ハーフタイプなら2枚)
・玉ねぎ…中1/4玉
・好みのきのこ…50g
・オリーブオイル…大さじ1
・ねぎ…適量
・柚子胡椒…適量
<下準備>
・ベーコンは1cm幅に切っておく
・玉ねぎは薄くスライスする
・きのこは石づきを落として小房に分けるか、薄くスライスする
<作り方>
1.メスティンに水を入れ、半分に折ったパスタを入れたら塩を加える。そこに玉ねぎ、きのこ、オリーブオイルを入れて、弱めの中火にかける。
2.ときどきほぐしながら10分くらい煮る。汁気が少なくなったら松茸のお吸い物の素を全体に絡める。ねぎや柚子胡椒をトッピングして完成。
<ポイント>
・汁気は、写真のようにメスティンを傾けたときに少し集まる程度(50mlくらい)を目安にしてください。
・火加減が強く、パスタに火が通らないまま汁気がなくなってきたら、追加で50~100ml足してみてください。
大自然の中、淹れたてのコーヒーとガトーショコラを味わってみませんか?ホットケーキミックスを使うので、面倒な作業は一切ありません。チョコを溶かして、材料をひたすら混ぜていくだけなので、焼くまでの作業は10分足らず!焼き立てはフワフワ、冷やすとしっかりとした食感になります。
<材料>
・板チョコ…2枚(100g程度)
・卵…1個
・生クリーム…100ml
・サラダ油…大さじ1
★ホットケーキミックス…50g
★純ココア…大さじ2
★砂糖…大さじ1
-必要なもの-
・アルミホイル
・クッキングペーパー
・キッチンペーパー
・竹串
<下準備>
・メスティンの本体とフタに、しっかり濡らしたキッチンペーパーを包んだアルミホイルをそれぞれ敷き、その上からクッキングペーパーを敷く。
・ホットケーキミックスと純ココア、砂糖はあらかじめチャック付き保存袋などに入れ、全体をよく混ぜておく。
・チョコはパッケージの上からバキバキに砕いておく
<作り方>
1.ボウルなどに割ったチョコを入れて、湯煎で溶かす。そこに生クリームを入れて、全体がなじむまでよく混ぜる。(泡立て器使用がおすすめ)
2.1に卵を割り入れよく混ぜたら、サラダ油を加えてさらに混ぜる。
3.★の粉類を入れて、粉気がなくなるまで混ぜ、メスティンに移す。
4.ごく弱火にかけ20分ほど加熱する。ひっくり返して、さらに15分加熱。
5.竹串を刺して中まで火が通っていることを確認したら、切り分けて完成。好みで粉糖をかけても。
<ポイント>
・写真のようにごく弱火にするのがポイントです。炭では火の調整が難しいため、ガスコンロをおすすめします。
・生焼けの場合は、裏表5分ずつ追加してください。
・ときどき前後の位置を変えて、まんべんなく焼けるようにするのがポイント。
・シングルバーナーを使う際は、網などを使うと安定します。
・生クリームは100mlの使い切りサイズを持っていくとムダになりません。
スキレットでアツアツのキャンプ飯を作ってみましょう!簡単に作れるレシピを3つ紹介します。
タンドリーチキンは手間がかかりそうなイメージですが、前日から漬け込んでおき、当日袋ごと持ってくれば、現地では焼くだけでOKです。
<材料>
・手羽元…6本
・塩こしょう…適量
★カレー粉…小さじ2
★ヨーグルト…大さじ4
★みそ…小さじ1
★ケチャップ…大さじ2
★にんにく…3cm
★しょうが…3cm
・油…適量
-必要なもの-
・アルミホイル
<作り方>
【事前準備】
1.手羽元にフォークで穴を開けておき、塩こしょうを全体にまぶす。
2.チャック付きの保存袋に手羽元と★の材料を加え、よくもみ込んだら冷蔵庫で1晩寝かせる。(時間がないときは1時間程度でもOK)
【仕上げ】
3.スキレットに油を引き、手羽元を並べて中火で焼き、焼目がついたらアルミホイルでフタをして、弱火で10分加熱する。
<ポイント>
・中まで火が通っているか心配なときは、火からおろしてアルミホイルを被せたまま10分ほど蒸らしましょう。
サバの醤油煮缶を使っているので、味付けは不要です。チーズをたっぷり入れるのがおすすめ。少ない油で焼き上げるので、後片付けも楽々です!
<材料(2人分)>
・春巻きの皮…4枚
・サバ醤油煮…1/2缶(小なら1缶)
・しょうが…3cm
・しいたけ…1枚
・大葉…2枚
・とろけるチーズ…適量
・小麦粉…少々
・水…適量
・油…適量
<下準備>
・しいたけは薄くスライスしておく。
・大葉は千切りにする。
<作り方>
1.ボウルにサバだけを入れてほぐし、しいたけと大葉、しょうがを加えて混ぜる。
2.春巻きの皮に1の具を乗せ、とろけるチーズと一緒に巻いて、水溶き小麦粉で止める。
3.熱したスキレットに少し多めの油を入れ、弱めの中火で春巻きをこんがりと焼いていく。片面1分30秒くらいで色づくので、適宜ひっくり返す。
<ポイント>
・すぐに色づくので火加減に注意!
・裏面を焼くときに油が足りなければ、少々追加してください
・余った春巻きの皮は、チーズやチョコ&バナナなどを巻いて焼くと、おやつにもなります。
BBQのキャベツを少し残しておいて、スキレットでたこ焼きを作ってみませんか?見た目はお好み焼きですが、外はサクッと、中はトロッとした食感でまさにたこ焼き!たこ焼き粉は事前に計量して袋に入れて持ってくるのがおすすめです。
<材料>
・たこ焼き粉…50g
・水…10ml
・卵…1個
・キャベツ…30g(小さめの葉1枚)
・たこ…50g(足1本分)
・天かす…大さじ2
・油…適量
・ネギ…適量
・お好みソース…適量
・マヨネーズ…適量
-必要なもの-
・アルミホイル
<下準備>
・キャベツをみじん切りにする
・たこを1cmくらいに切る
<作り方>
1.ボウルにたこ焼き粉と卵を入れ、よく混ぜたら水を少しずつ入れてなめらかになるまで混ぜる。
2.キャベツとたこ、天かすを1に混ぜる。
3.熱したスキレットに油を引き、2の生地を流し込んだらアルミホイルでフタをし、弱火で3分焼く。
4.裏返してそのまま2分ほど焼いたら、お好みソースとマヨネーズ、ネギをかけて完成!
<ポイント>
・スキレットは熱伝導がよく、すぐに焦げてしまうのでなるべく弱火で焼くのがポイントです!
・チーズや紅ショウガなど、好みのトッピングをするのも◎
キャンプで使う調理器具は、いつも使っている調理器具とそう使い勝手は変わりません。火加減や焦げつきに少し気を配れば、おいしいキャンプ飯が作れます。
なお、今回紹介したレシピは炭火でも作れますが、ガスコンロで作るのがおすすめです。グランピング施設なら専用のBBQコンロが備え付けてあるので、火加減しやすくうれしいですね。どれも簡単かつBBQの材料を流用しながら作れるので、ぜひお試しくださいね。
WRITER/相田 すみ子
管理栄養士
食べること、料理を作ることへの興味から管理栄養士を目指す。現在は、食と体の関係をもっと分かりやすく、幅広い人に伝えたいという思いから、ライターとして活動。管理栄養士として培った経験をもとに、ユーザー目線に立った分かりやすく価値ある情報をお届け。
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