「大分・別府」といえば、言わずと知れた九州を代表する温泉地。源泉数、湧出量共に全国第1位を誇る日本でも有数の温泉郷です。なんとその地に、4月27日、グランピング施設がオープン!
湯けむり漂う別府のまちでグランピング…?聞いただけではちょっとイメージが湧きにくいですよね。
ということで、「湯のまち×グランピング」というありそうでなかった斬新な組み合わせを実際に体験してみようといざ現地へ!百聞は一見に如かずです。
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グランシア別府鉄輪は、4月27日にオープンしたばかりのグランピング施設。福岡市からは車で約2時間、別府ICの出口を右折して坂道を下っていると、途中から特徴的な白いドームテントが遠目に見えてきます。思わず「あれだ!」と歓声を上げ、はしゃいでいる間に施設へ到着。ICを降りてから施設までは6分ほどらしく、あっという間に白いテントが目の前にドンと出てきます。
車を降りると、まず感じるのは硫黄の香り。施設からは湯けむりが立っていて、「別府温泉に来た!」とこれまた旅気分が盛り上がっていきます。
フロントでチェックインした後は、早速お部屋へ。しかし…あれ?あの白いドームテントが見あたりません。各客室のドアも、グランピング施設というよりは旅館のような佇まい。一体どうなっているのでしょうか?!
とりあえず玄関ドアを開けると、玄関入ってすぐ右手には食事スペース(アウトドアダイニング)があります。そのまま部屋に向かって通路を進むと左手には客室温泉が。そして…最後に部屋のドアをあけると、なんとそこがテントになっているではありませんか!一般的な旅館の客室のように見せかけて、中に入ると実はテントだったという、なんとも楽しいからくりに。
しかもテント内は天井が高くて、広々と開放感があります。何より目を引くのは、テントの半分はあるんじゃないかと感じられるスケルトンの窓から見える景観です。
大小合わせて14室あるドームテントは、見える景色も部屋によってさまざま。私たちが宿泊したType A(直径6メートル)の部屋からは目の前に鉄輪地獄地帯公園の林が並び、緑あふれる景観に。
スタッフの方のお話によると、直径6メートルのType B、Cや直径10メートルのTypeグランデからは扇山を望むことができ、そのふもとにある湯けむりのまちも見えるそうです。
ドームテント内のインテリアは、ナチュラルテイストだったり、ちょっとシックだったりするほか、和をイメージしていたりパステルカラー調だったり、テントによってそれぞれ異なるのだそうです。
ちなみにグランシア別府鉄輪には、愛犬と宿泊できるタイプも2テント(直径6メートル&10メートル)あるそうですよ。ものすごく広いドッグランもついているとか。犬を飼っている友人に教えてあげなくては!
お部屋でちょっとくつろいだら、次は施設散策です。まずはデイユースでBBQが楽しめるスペースもあるBBQ Gardenへ。ここには地獄蒸しが体験できるコーナーが!宿泊者は「野菜マルシェ」で、好きな野菜を1カゴ分無料でいただくことができるので、スタッフの方に教わりながら調達した野菜を地獄窯に入れて地獄蒸しに。卵も1個80円で売られているので、一緒に地獄蒸しにしてみました。
野菜は10分ほどで完成、卵なら7分くらいで地獄蒸しのゆで卵に。96度の蒸気で蒸された野菜は、素材の旨みが存分に引き出されるからか、はたまた硫黄成分が加わったからなのか、家でつくる温野菜とは一線を画す美味しさでした。ちなみに野菜マルシェでもらえる野菜は、BBQにも利用できますよ。
日が暮れ始めたら、待ちに待った夕食の時間!お部屋の食事スペースでいただきます。この日はお天気も良く、夕方になってもそんなに寒くはならなかったので、食事スペースの引き戸を開け放ち、テーブルを屋外へ。食事スペースは、引き戸を開ければ、外のデッキとつながるようになっているので、気候の良い時期は、外の空気を感じながら、景色を眺めながらのBBQを楽しむべしだと思います!
運ばれてきた料理はゴージャスの一言に尽きます。やはり食材にはこだわっているそうで、大分県産の和牛や魚介類などを中心に、九州産の新鮮食材を使った料理の数々が所せましとテーブルに並べられました。お肉やソーセージが美味しいのはもちろんですが、BBQグリルで簡単に調理できるスキレットも絶品!特に県産の真鯛からとったという出汁や魚介の旨みがお米にしみ込んだ和風テイストのパエリアは、おかわりしたくなるほどでした。
しかもBBQメニューはボリューム満点。食後はハンモックで横になって休憩したいところだったのですが、グランピングの夜はお楽しみが盛りだくさん!寝ている場合ではありません。
そう!夕食後は、広場で焚火&篠笛ライブがあると聞いていたのです。何でもグランシア別府鉄輪のマネージャーは、ドラムTAOの元メンバーだそう。ドラムTAOといえば、大分県を拠点に活動する、かの有名な和太鼓演奏グループです。ライブは不定期開催なので、マネージャーが奏でる篠笛を聞けたのは本当にラッキーでした。
この日は、ディズニーの名曲や「春よ来い」「紅蓮華」など今流行の曲やちょっと一昔前の懐かしい曲を交えて演奏されていました。夜の暗闇に揺れる炎と篠笛の音色がなんともロマンチックで、幻想的で、心はすっかりどこか別の世界へ。非日常とはきっとこういう感覚を言うのでしょうね。
あともう一つおすすめなのが、フロントにあるグランピングカフェBAR「entrance cafe FIKA」。なんでも大分で人気の「地酒専門店 丸田酒舗」や「Beppu Sake Stand 巡」をプロデュースするSAKEコーディネーター・丸田晋也さんがプロデュースしたグランピングカフェBARだそうです。
メニューを見ると、地酒や焼酎をはじめ、クラフトビールやナチュラルワイン、オリジナルカクテルなど、地元を知る方がプロデュースしているからこそのラインナップとなっていました。ノンアルコールカクテルやソフトドリンクもあるので家族でも楽しめますね。夜は22時まで営業しているので、夕食後は、こちらでくつろぐのもありですね。
ちなみに、日中はカフェとして、コーヒーやかわいいスイーツ、ホットサンドなどの軽食が楽しめるようになっています。
到着してからお楽しみが盛りだくさんですっかりお風呂タイムが遅くなってしまいましたが、ここは大分・別府。温泉を楽しまないわけにはいきません!ただお風呂は客室に備え付けの個別温泉風呂だから、入るのが遅くなっても心配はいらないですね。時間制限もないので、好きな時間に好きなだけ入ることができます。
温泉は「万人が入れるやさしい単純泉」とのこと。硫黄泉とまではいきませんが、硫黄成分も少し含まれているので、デトックス効果や美肌効果が期待できるそうですよ!
ちなみに大人2人が入ってもゆったりと浸かれる浴槽は、しっとりとした質感の信楽焼。温かい木の雰囲気と相まって浴室全体が高級感のある雰囲気になっています。
アメニティも充実。タオルや歯ブラシなど基本的なものはもちろんのこと、クレンジングや洗顔フォーム、化粧水、乳液といったスキンケアセットも用意されていました。この日はお部屋に備えられていた浴衣を着て、温泉気分そのままに眠りへつきました。
せっかくお部屋に温泉があるので、朝は目覚めてすぐお風呂タイムです。朝は陽の光に鳥のさえずりと、また夜とは違う風情があってこれまた長風呂に…。
その後はもちろん朝食タイム。土鍋ごはんは、BBQグリルで20分、蒸らし5分で炊き立てに。焼き魚は、ごはんの蒸らしのタイミングでグリルに入れ、温めて食べます。土鍋の蓋をとると炊き立てのお米のいい香りが漂い、朝からほっこり幸せ気分!ほかにも、地元産タマゴに、ごはんのおともが3種用意されていました。このときは、梅干し、シラス、きんぴらでしたが、おともは日によって変わるそうです。大分県民御用達という少し甘めの地元醤油・カトレア醤油でいただくTKGは最高でした!
実際に体験した「湯けむりのまち×グランピング」。今回は、大自然を満喫しながら、本格的に温泉を楽しむという、高級温泉旅館の滞在とキャンプのいいとこどりをしたような貴重な体験ができました。「アウトドアだけじゃ物足りない」「温泉+グルメ+αで何か楽しいことがしたい!」という人にはもってこいの施設です。
部屋は全棟1棟貸切型になっており、トイレ・温泉・食事スペースなども各棟に個別で設置されているので、人と接触することはほとんどありませんでした。安心・安全な環境でグランピングが体験できるのもグランシア別府鉄輪の大きな魅力ですね。
クチコミ・体験記